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筆者の友人「鵺村(ぬえむら)」が獄中から送ってくる手紙を公開
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世間の多くの人は、自分が犯罪者ではなく、
逮捕される理由はない、と考えているだろう。
私もそう考えていた。
なので2006年3月、自宅に6,7人の警官が来て、
部屋の捜索が行われている間も、呑気にタバコを吸いながら話していた。
逮捕状は傷害容疑だったのだが、まるっきり身に覚えがないので、
どうぞどうぞ、とばかりに警官たちを家に入れ、好きなように捜索させた。
いくら逮捕状があるとはいえ、すぐ私の無実は明らかになり、
警官たちはスゴスゴと帰っていくものだと思っていた。
が、私は甘かった。
一通り部屋の捜索が終わり、パソコン等が持っていかれることがわかり、
焦った。
のみならず、問答無用で私はわずかな荷物をまとめることになり、
生まれて初めての手錠をかけられ、車に乗せられた。
そして、訳のわからないまま、留置所にブチ込まれた。
私には木刀で、ある人物をメッタ打ちにした容疑がかけられていたのだ。
ちなみに私は武器の類が好きで、木刀も大量に所有していた。
幼い頃、剣道をしていたので、たまに友人たちと剣術ごっこをして
遊んでいた。
細かいことを書くと事件が特定され、関係者に迷惑をかけるので
その辺はぼかして書くことにする。
被害者というのは、木刀で剣術ごっこをしていた相手のうちの一人だ。
ごく自然な相手の同意があり、私が相手に剣術を教える、
というシチュエーションだ。
木刀で、相手の木刀を狙うなんてナンセンスなので、
隙のあるところへ当てる、というか触るわけである。
私は余裕があるので、まさに触れる程度に当てるのだが、
相手はけっこうな勢いで打ってくる。
おかげで私は、ちょっとしたアザがたくさんできてしまった。
その相手というのは、かなりの変わり者で、あるとき私は彼女から
「昔、レイプされたことがある。その相手を殺して欲しい」
なんてお願いされたことがある。
そんな女性だ。
殺しの依頼か、報酬は前金で…って何でやねん!
とまあ、そんな具合の、とても変わった人物と私は関わっていたのである。
何が起きても不思議ではない、とも言える。
命があるだけマシというものか。

ともかく、私はその女性とがっつり関わることになった。
なんだかんだあって、その果てが今の私である。
ここで例え話をしよう。
ある夜、酒が入ってほろ酔いのあなたが、
道ばたに倒れている女性を見つけた。
彼女は泥酔している。
あなたは親切心から彼女に声をかけ、抱き起こそうとした。
すると彼女は
「キャーッ!助けて!」
と叫び。ジタバタした拍子に、頭を打って怪我をした。
それでもあなたは、自分がなんとかしてあげなきゃと
その場で彼女に声をかけつつ、怪我の様子をうかがっていた。
悲鳴を聞いた人が通報し、そこに警官が駆けつけた。
女性は
「助けて!犯される!キャーッ!」
と、なおも叫んでいる。
あなたは女性に触れた状態。
そしてあなたは逮捕され、留置所へブチ込まれる。
『被害者』の女性はトラウマを抱え、ヒステリー系だった。
今までの人生で重ねた恨み辛みを全てぶつけるかのように、
あなたの『犯行』を作り話や誇張を織り交ぜつつ、
しかし、あなたが強姦しようとしたと確信して、本心で刑事に話す。
そして、立派な被害者の調書ができる。
ここまできたら、あなたは正真正銘、強姦致傷の犯人だ。
ほろ酔いだったあなたが何を言おうと無駄。
言い訳でしかない。

刑事は、被害者の調書と、あなたの調書を一致させようとする。
強姦致傷の類型、よくあるケースにまとめ上げにかかる。
信じられないかもしれないが、これであなたは起訴される。
会社や家族があるあなたは、一刻も早く釈放されたい。
弁護士に相談したところ、罪を認めて、示談をとる流れでいこう
ということになった。
あなたは刑事が促すまま、犯行を認める調書に指印を押す。
しかし、女性は示談に応じないまま、あなたは釈放されないまま裁判へ。
検察は、あなたの犯行をボロクソに陳述する。
弁護士と相談したところ、反省の色をみせて
執行猶予を取りにいこう、ということになっている。
あなたは、内心反発しつつ、罪を認める。
弁護士の予想では、求刑3年で、執行猶予判決とのこと。
ところが、検察は懲役5年を求刑。
そして判決。
あなたは懲役3年の実刑判決を言い渡される。
控訴審では、一転して無罪を主張するつもりで、
あなたは友人や家族の協力を得て、半年がかりで準備した。
そして控訴審、全ての証人、証拠は必要なしと却下される。
上告は、してもしなくても、まず判決は変わらない。
こうして、あなたは強姦犯人となる。
新聞に名前が出たこともあり、あなたはネット上で有名人。

あなたはこの例え話を、
そんなバカな、さすがにあり得ないと考えるかもしれない。
しかし、『犯行』時、ほろ酔いだったあなたに、
女性を助けるとエッチな展開になるかもしれない、と
淡い期待があったとしたら、どうだろう。
さらに言うと、どさくさにまぎれて、泥酔した女性の体を
必要以上に触っていたとしたらどうだろう。
それでもあなたはまるっきり冤罪だと言えるだろうか。
そして女性は強姦されそうになったと確信しており、
さらに、あなたのせいで彼女が頭を怪我したのも事実だ。
犯罪とは、時として、こうした流れで起こる。
私のケースも同様、私は今、完全に犯罪者だ。
あなたは女性を助けようとした時点で覚悟が必要だった。
下心ゼロだったとしても、あなたは完全に犯罪者だ。
こうしたケースを含めての司法システムであり、
それによって、この国の治安はそこそこ保たれているのだ。
電車の中で、揺れた拍子に、女子高生の尻に手が当たった、
それだけで、完全な痴漢だと覚悟しておいてもらいたい!

ハイ!それではプラス思考で元気を出してー!
ワンツー、ワンツー、明るく明るくワンツー、ワンツー
ほの暗い廊下の奥からやってくる…
ミシリ、ミシリと…こっちに向かって誰か来る…

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